「自分らしく生きる働き方」は、株式会社テレワークマネジメントの社員・吉成健太朗さんが執筆しています。生まれつき脊髄性筋萎縮症の吉成さんは、北海道の病院に入院しながら、毎日3時間位、テレワークで働いています。障がい者である吉成さんが、日々のテレワークで得た知識やツールの使い方、テレワークのコツ、感じていることなどを発信しています。
「『障がいがあるからできない』は嘘」
昔から頭の中に不意に思い浮かぶ感情があるのです。
「自分がもし病気じゃなかったらどんな生活を送っていただろうか?」
外に出かけていろんなことを経験して、それを共有できる親友がいて、彼女とかも出来ていたりするのではないか。そんなことを夢想した回数はもう数え切れません。
障害がある私の行動には制限が多くあります。例えば車椅子では入れない店にはどう頑張っても入れないし、そもそも一人では外出することさえ出来ない。誰か一緒についてきてくれる人がいなければいけないです。なので、私はインドア派で本を読んだり、何かを作っている時間が多くなっています。
「やっぱり障害があるからできない」
そんな風に考えていた時期がありました。何をするのにも上記で挙げたような問題が降りかかってくる。全部障害が原因だと思っていました。
話は少しそれますが、私には2歳上の同じ病気を持っている姉がいます。姉は私とは真逆でアウトドア派。病院に入院している私たちは年に数回実家に帰省することがあるのですが、姉は帰省中ほぼ毎日外出しています。
同じ病気なのになぜこんなにも違うのか私は最初理解できませんでした。
でも、よく周りを見ると理解できました。同じ病気でもひとり暮らしをしている人もいれば、結婚して子供がいる人もいる。病気が原因だと決めつけていただけで、本当の原因は『できないと決めつけていた自分がいた』からです。それは別に悪いことをしていたわけではありませんでした。本当の自分が分かっていなかっただけです。
私の場合はどうやら根っからのインドア派だったみたいです。別に病気が悪かったわけではありませんでした。
できないという気持ちが表れたのはなぜなのか?
同じような境遇でもできている人はいないのか?
できている人と自分では何が違うのか?
それを比べてみると色々と分かってくることがあります。
諦めるのは比較的に簡単なことです。傷つくのは基本的に自分だけですし、後悔するのも自分だけですからね。そして理由ができてしまえば、なおさら諦める手助けをしてくれます。
「障害があるから……」と言ってしまえば、大抵の人はそれ以上の追究はしてこないでしょう。
でも、同じ障害を持っている人がなにかを成し遂げているとしたら、どうでしょうか。「障害があるから……」。これを考えたか、そうではないかの差が大きいと思います。
障がいを自分にとっての武器とするか、一歩を踏み出すことを拒む盾とするかは人それぞれです。これを書いている私もまだまだ上手く扱うことができていないですから。
ただ、本気でやりたいことがあるのなら、そこに障がいがあろうともそれを理由に諦めてしまうのはもったいない。人生は一度きりなのです。
障害のある方や障害者雇用への取組を考えている企業の方々に向けて、これからも情報発信を続けてまいります。詳しくお知りになりたいことなどがありましたら、お問い合わせフォームよりお知らせください。