以前にもご案内しましたが、3/19、東京で開催された、テレワーク推進フォーラムセミナーで、前内閣府特命担当大臣・衆議院議員 高市早苗氏が講演をされました。
私は、札幌で仕事があり、セミナーに参加することができなかったのですが、弊社のスタッフが速報で内容を伝えてくれました。
その中で、私が大きく反応したのは、「育児休業中のテレワーク」についての話です。
概要は以下の通りです。
(聴講時のメモベースのため、実際の高市代議士の表現とは、異なる場合があります)
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・(ご自身の事務所で働く女性の育児休暇取得の体験から)
・育児休業を取得し、1年以上完全に仕事から離れると、復帰しても仕事を続けられるのか不安になったり、復帰の意欲が低下したりする人がいる
・一方で、育児休業中でも、1日に数時間なら仕事が可能な状態の人も多くいる
・育児休業明けに無理なく職場復帰するためには、仕事の感覚を忘れないことが重要。毎日少しずつでも働けることが有効である
・雇用する立場からも、少しでその人しか出来ない仕事を継続してもらえると助かる
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テレワークは、まさにこのような、働き方(雇用のし方)が実現できるが、当該制度が合っていないところがある
・育児休業中は、育児給付金が給付される(現在は就業時の50%相当)
・テレワークで1日数時間働いた分を+αの収入にできれば、仕事を継続しつつ、育児休業中の給与も確保できる
・しかし、現在の育児給付金の給付基準は1ヶ月の就労が10日以下。育児休業中でも、テレワークで働くことを前提にすると、現実的ではない。
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育児給付金の給付基準を日数単位ではなく、(トータルの)時間単位に見直すべきではないか
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よくぞ、言ってくださいました!
まさに、うちの会社でも同様の問題が発生したことがあります。
育児休業を取得する女性社員がテレワークでの仕事を希望し、会社としてもそれを喜んで受け入れました。しかし、調べてみると、「毎日テレワークで数時間働くと、育児給付金がもらえなくなる」という事実がわかり、思うように働くことができませんでした。
「一ヶ月のうち10日以上仕事をすると、育児給付金の対象外」になり、たとえ1時間でも仕事をすると、それは「1日」とカウントされるからです。
「10日以下」というのは、雇用保険法の施行規則(第二款 育児休業給付 第百一条の十一 )で規定されているのですが、これはなんと昭和50年に制定されたもの。「テレワーク」なんて想像もつかなかった時代です。
もし、テレワークという新しい働き方にあわせて、高市代議士のおっしゃるように、基準が日単位から時間単位に見直されたら・・・。
たとえば1日を8時間労働とすると、10日で最大80時間。もし、「1ヶ月のうち80時間以内であれば、育児給付金の対象内」になると、1日4時間20日テレワークした場合、育児給付金と合わせて、(通常勤務時の)100%の収入を確保することが可能になるのです!
※育児給付金は平成22年3月末まで暫定的に50%(休業期間中30%+職場復帰後6か月20%)
わかりやすくするために、図にしてみました。
■現在の育児給付金対象基準の場合
・育児休業中、まったく仕事をしないと・・・
・月80時間(1日4時間)のテレワークをしても・・・
※なんと、「働かない方が得」のような形になるのです。
■育児給付金対象の基準が「月10日以下」から「月80時間以下」に見直された場合
※テレワークで働くことで、100%に近い収入を得ることが可能になります。
いかがでしょうか。
今は、有給休暇も時間単位で取得できるよう見直す企業も増えています。テレワークという新しい働き方に合った規定に見直されることで、育児休業中でも、「アクセルを調整しながら」働き、収入も確保することができます。
保育園を増やすことだけが、少子化対策ではないのではないか・・・と私は思っています。
#セミナーでは、その他、労働基準法や、労働安全衛生法及び労災法の問題にも言及されたそうです。
今日の高市代議士の話をきっかけにして、世の中が動くことを心から願っています。