田澤由利の徒然テレワーク

【テレワーク】後悔しない生き方を導いてくれる仕事形態

年末に、ワイズスタッフのネットメンバー(テレワーカー)を対象に、「テレワークな生活」というエッセイを募集しました。
たくさんのエッセイが寄せられ、「テレワークは必要な働き方だ」という思いをより強くしました。
その中で、最優秀賞に選ばれたエッセイをご紹介します。

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後悔しない生き方を導いてくれる仕事形態
     ワイズスタッフ ネットメンバー Y.S

父が定年退職して2年目の夏、田舎の母から「父が入院し手術をする」と電話が来た。
大変な手術でもあり、手術後は、付き添いが必要だとのこと。動揺している母一人にまかせるわけにはいかない。姉妹の中でも人一倍、親に苦労をかけたダメ娘としては、そのお返しをするには、どれだけ年月があっても足りないくらいだ。
迷わず、すぐに実家に駆けつけて、母と交代で、父に付き添いたいと思った。

すでに、テレワークという形態で仕事をしていた私は、ノートPCと仕事の資料を持って実家へ1週間里帰りをして、日中は病院で付き添い、夜には実家でPCに向かって仕事をした。一緒に仕事をしているスタッフには、作業時間が夜中心になるということだけを連絡し、仕事を休むことなく、里帰りと仕事をこなすことができた。仕事を持つ姉たちは、急に休みをとることができず、週末に病院へかけつけた。

父は入退院を繰り返しつつも、調子の良いときには、私たち家族と一緒に大好きな温泉への小旅行も楽しんだ。子どもの学校が長期休暇のときは、仕事がある主人を一人自宅に残し(協力的な主人に感謝)、私と子どもは実家で過ごし、残された父との時間を大切にした。そんなときも、ノートPCを持って移動すれば、私は、通常、自宅で仕事をしているのとほとんど変わりなく、実家でも仕事をすることができた。

こうして3年が過ぎた夏、とうとう父をおくる日がやってきた。
子どもが夏休みだったこともあり、一人残された母と一緒に夏休み中ずっと、実家で過ごすことにした。やはり、このときにも、実家にいながらも、ノートPCを持参し、いつもと同じ状況で仕事をこなし、プロジェクトのスタッフとも通常通り連携して仕事を進行することができた。

父との残された時間を大切に過ごしたい、残された母を一人にせずに一緒にいてあげたい。そう思ったときに、もし私が会社に勤務するという形態で仕事をしていたとしたら、すぐに実家にかけつけたり、長期休暇を何度もとったりすることはできなかっただろう。テレワークという形態で仕事をしていたからこそ、私は父母に対する自分の思いを果たすことができたことを幸せに思っている。

私にとってテレワークは、自分の思いを果たすことができ、後悔しない生き方を導いてくれる、なくてはならない仕事形態なのだ。

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私は、テレワークが、すべての人にとって「理想の働き方」だとは思っていません。
でも、すべての人の働く「選択肢」として、存在すべきだと思っています。