テレワーク政策・統計・白書, 田澤由利の徒然テレワーク

熊本市議会の赤ちゃん連れ問題。”YES””NO”以外の答えにテレワークあり?!

11月22日、熊本市の市議会で、生後7カ月の長男を連れた議員が同伴出席を認められず、開会が40分間遅れました。これに対し、マスメディアや、ネットでさまざまな議論が交わされました。「賛成(YES)」か「反対(NO)」かという複数のネットアンケートでは「反対」が多数のようですが、「行動しないと、変わらない」「海外ではよくあること」「託児所を作るべき」などの意見も多くあります。

で、働きながら3人の娘を育てた私としては「YES」と即答したいところですが、議会の本来の機能を考えると「NO」かもしれない・・・。と、悩んでいたところ、自分のFacebook投稿を思い出しました。

生駒市テレワーク&インキュベーションセンター「イコマド」で、6月に開催した女性の小さな起業を応援するイベント「Every Little Step Project」。会場に赤ちゃんを背負っていらしたママさんがいました。

「赤ちゃんと一緒にどうぞ」と席についたものの、赤ちゃんがクズリ出すと、気兼ねして会場の外へ。ママは、イベントに参加することができません。そこで、スタッフが気を利かし、別の階の部屋と会場を、ウェブ会議で接続しました。その部屋で赤ちゃんが自由に遊ぶ中、ママはライブでイベントを視聴。そして、遊び疲れた赤ちゃんが寝入ったところで、「おんぶ」で会場に復帰。途中からですが、ワークショップにも参加できたのです。

離れている距離こそ短いですが、これも立派な「テレワーク」です!

議会でも同様にできたら、「議会に子どもを同伴できる」し、「議会の進行を妨げない」で済みます。でも、私は、政治の知識と経験がなく、議会でそんなことが可能なのか、また、議場に「別室」があるのかもわかりません。そこで、詳しい方の意見をもらおうと、県会議員経験もある元衆議院議員井戸まさえさんのFacebookページを表示したら、なんとビックリ。同じ「テレワーク案」が!

井戸さんの投稿によると、「議会内には、『控え室』や『実務を行なう空間』が置かれて居る」とのこと。また、私からの「いったん議場に出席して、体調が悪くなって控え室に戻ったら、扱いはどうなるのですか?」という質問には、「最初に出席して、途中で退出する議員はいる。採決で議場閉鎖される以外は、出席扱いになっていると思う」と答えてくださいました。

もちろん、議会という重要な場なので、乗り越えるべき、さまざまな課題はあると思います。でも、新しい道具(ICT)を使って、柔軟な働き方を可能にし、それに対応してルールを見直すことで、「YES」「NO」以外の答えを出す第一歩になるかもしれません。