テレワークコンサルタント日記

テレワークとコミュニケーションと生産性|テレワークコンサルタントのブログ

こんにちは。今回のコンサルタントブログを担当します「たむぞー」です。

8月は1か月間、全員在宅勤務月間ということで実施させていただきました。私は、通常は出勤することになっていますが、在宅勤務月間だからといって自宅にこもるわけではなく、直行・直帰でお客様のところへ行っておりました。

そもそもオフィス自体が四ツ谷というどこに行くにもアクセスのよい場所にありますし、移動時間がもったいない場合は、直行・直帰も認められているということもあり、それほど変化はないだろうと踏んでいたのですが、実際朝から在宅勤務でいいとなると、ちょうど子どもの夏休みとも重なり、業務が始まるまで家事をやり切れたり、子どもとコミュニケーションができたりと生活面はとても充実することができました。記録的な猛暑日の連続や急な雨など、スーツを着ないで済む(笑)時間が増えるのは個人的には、とてもありがたかったです。

さて、今回はタイトルに書きましたが、「テレワーク」と「コミュニケーション」と「生産性」の関係について私の個人的な考えを少しだけ書かせていただこうと思います。

テレワークの話でよく出てくるものの1つとして、テレワークで生産性があがるというがどうやったらよいのか、ということです。世の中でいろいろな方や企業がテレワークやワークスタイル変革で生産性があがったといった事例や資料、ニュース、セミナーなどを公開されています。最近ではテレワークが多方面から非常に注目を集めていますので、もっともっと具体的な事例や方法論などが研究・検証されてくると期待しています。

まず、生産性の定義ですが、様々な側面がありますが、もっとも簡単な説明としては「資源から付加価値を産み出すさいの効率の程度のこと」ということです。資源が社員だとすれば、ある社員が効率よくアウトプットを出せると生産性が高いということになります。

次に、アウトプットの「良さ」はどうやって測るかということですが、一般的には、Q(品質)、C(コスト)、D(期限)、さらに最近ではE(環境)、S(社会的意義)なども含めて評価するということになるかと思います。つまり、たくさんアウトプットを出せばよいというわけではなく、なるべく間違いのないものがいいですし、お金もかからないほうがいいですが、どれもこれもというわけにはいかないので、バランスをとるしかありません。そして、そのバランスを決めるには、そのアウトプットがどのように役立つのか、誰が求めているのか、つまり所属する組織の「生産性」にどのように寄与するのかという観点で評価する必要があります。

組織は、さらに階層的、横断的、外交的にも複雑に利害関係を持っていますので、そういった関係性の中で、どのようにして、そしていつの時点で企業の経営に結びついていくのかといったことがあらかじめ描かれていて、社員と共有できているかというところが重要になってきます。

これは、つまりバランススコアカードでいう、財務の視点に影響が出るタイミングについて、顧客、業務、学習の視点での活動が時間軸でどのように結びついていくかが見える化されていることで、初めて、個々の社員や組織の活動のアウトプットの生産性が評価できるということになります。

駆け足になりましたが、要は「企業にとっての生産性」といった場合に、決して即効性のあるものばかりに目を向けるのではなく、個々の活動が「学習の視点」でいかに企業の底上げに貢献しているかというところが非常に重要であるにも関わらず、通常見えにくい=評価しにくいということが問題だということです。企業が継続的に成長していくには、長い目で見た「学習の視点」での底上げは欠かせないということかと思います。

次に、「コミュニケーション」についてですが、社員や組織間でどれくらい必要な量と質のコミュニケーションがとれているかということは、人が機械の一部ではない限り、組織・チームで仕事をするうえでとても重要です。

コミュニケーションという言葉も幅広く多様性がありますので、ここでは、一旦、狭義の意味で「誰かの意思が相手に理解・共有されること」としましょう。つまり、質の高いコミュニケーションというのは、確実に相手が自分の考えを理解できたことを実感できることになるかと思います。自分の考えを一方的に相手に説明しきるということではなく、相手の理解度や相手が求めているものに応じて柔軟に伝える方法を変えたり、あるいは相手が理解するまでしっかり待ってあげるということが必要になってきます。

職場でのコミュニケーションでは、相手の様々な細かい情報を感じとることで、質の高いコミュニケーションが成立しているということになります。そして、テレワークにおけるコミュニケーションの課題の1つには、物理的に相手と面と向かって会話をすることができないため、これらの細かい情報を感じ取ることができないということがあります。テレワークを実践し、コミュニケーションの課題を解決するということは、これらの細かい情報がない状態で、質の高いコミュニケーションを達成するということになります。

ここからは私の考えになりますが、テレワーカーは、テレワークを実践していく中で、コミュニケーションの本質である「相手に理解・共有してもらう」にはどうすればよいかを常に考えざるを得ず、その結果、自然に「相手が理解できるため」のコミュニケーションスキルが磨かれているのではないでしょうか。

弊社のメンバーは、非常にコミュニケーションスキルが高いと感じています。それは、いかに流暢に主張できるかとか、口が立つとか、滑舌がよいとかそういうことでは決してなく、共通して言えることは「相手に理解してもらう努力を惜しまない」人々ばかりだということです。

このような基本的かつとても重要なスキルが、テレワークを実践することによって底上げされていき、長い目で見れば、企業の目標や財務・顧客・業務の活動のつながりを全員が共有しアウトプットにつなげることができるようになるのではないかと考えています。

よって、数少ない社員がテレワークを実践したからといって即効性をもって生産性をあげるということを求めるのではなく、まずは企業全体のアウトプットのつながりを見える化し、そのうえで、適切な評価を行っていくという大前提で、テレワークという働き方が持つ様々なメリットをどのように享受していきたいかということをしっかり想定していくことが企業がテレワークを導入するうえで、とても重要なことではないかと考えています。

テレワークという働き方を有効活用していただくために、このような考えのもとお手伝いができるように努力していきたいと考えています。

最近、寒くなったり暑くなったりと変化が激しいですが、みなさま体調を崩さないようお気を付けください。

では、またお会いできる日を楽しみにしております!