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【朝日新聞】在宅ワーク 長時間・低収入 法整備急げ

1月7日(木)の朝日新聞朝刊、オピニオン面「私の視点」に、広島国際大専任講師 高野剛(たかの・つよし) 氏のコラムが掲載されました。

朝日新聞
在宅ワーク 長時間・低収入 法整備急げ

残念ながら、ネットでは公開されていないようですが、とても興味深い記事でした。

概要は以下の通りです。

・景気の悪化の影響もあり、自宅でテープおこしやデータ入力などのIT業務に従事する「在宅ワーク」が増えている
・しかし、在宅ワーカーは、原則として労働基準法が適用されず、厳しい労働環境にある
・ミシン仕事や紙箱づくりなどの、家内労働は、家内労働法が適用され、最低工賃制度や、発注者への義務が設定されており、違反した場合には罰則もある。
・旧西ドイツでは1974年に、家内労働法を改正し、テープおこしやデータ入力などの在宅ワークについても適用対象とした。
・情報サービス業の在宅ワークについても労働保護法が必要とする、国際労働機関(ILO)の第177号条約を、日本は批准していない。
・障害者や母子家庭の母親らに対して在宅ワークによる就労自立支援を実施しているにもかかわら
ず、在宅ワークを保護する法律もないのは問題

ここで語られている「在宅ワーク」は、広義のテレワークにおける「自営型テレワーク」に分類され、その中でも、「使用者等から依頼された作業を請負う」働き方に該当します。

ちなみに、私はお恥ずかしながら、国際労働機関(ILO)の第177号条約というのを知りませんでした。勉強になります。

しかし、現実には、「在宅ワークをしたい人」は増えていても、「在宅ワーカー」に仕事を発注する企業は減っています。そのような状況の中で、単に規制や法律を厳しくするだけでは、問題の解決は難しいのではないでしょうか。

規律や法律を設定することで、さらに「在宅ワーカーに発注しようとする企業」が減ってしまう危険性もあります。その結果、「在宅ワーク」が、国や自治体から支援がある「福祉的な労働」という形のみになっては・・・本末転倒になってしまいます。

法律の整備と同時に、「安かろう、悪かろう」と思われがちな「在宅ワーク」の質と価値を高めることが重要だと感じています。